サーベイ:通常分散ファイバを用いた分散マネージメント波長分割多重ソ リ トン伝送
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用語
背景
将来の通信網の大容量化に向けて、WDMが有望視されている。その中でも、光ソリトンを用いた伝送方式は光パワーマージンや伝送劣化の影響が少ない情報キャリアとして見なされており、WDMとの組み合わせに関する研究が様々行われている。
どんなもの?
本研究では特に、SMFと分散マネージメントと呼ばれる分散抑制法を用いて、光ソリトンをWDMで伝送可能かシミュレーションを行った。
先行研究と比べてどこがすごい?
WDMの波長数として4波長かつ20Gbit/s x 1波長のSMF下におけるシミュレーションを行った。さらに、数十波長に拡大するための条件も調査した。
技術や手法のキモはどこ?
分散マネージメント:SMFとDCF(分散補償ファイバ)を交互に組み合わせたファイバを指す。特徴として、以下が挙げられる。
どうやって有効だと検証した?
1波長20Gbit/s-2700kmのソリトン伝送方式を4波長へと拡大してシミュレーションを行った。実験回路は以下となる。交播分散補償方式を採用
した。
実験の評価指標:平均入力パワー[dbm]とBE
実験結果:実線が交播分散補償方式、破線が分散補償方式を表している。この図より、平均入力電力が大き過ぎても、小さ過ぎても伝送距離が短くなることが見て分かる。
議論はある?
- 分散マネージメントを実現するには、許容分散スロープを増大させる必要がある。
- 分散スロープ(=TOD)を向上させるには、分散耐力のあるファイバや分散補償スロープを考える必要がある。
疑問は?
- 評価指標の入力パワートレランスがどういうものか。
- dbm:1mWを基準とした電力の単位
- SNR limitとBERの関係性は。
- 交播分散補償方式とは。
- チャープとは。
研究に活かせそうな結果は?
- 分散マネージメント下では、交播分散補償方式の方が長距離伝送可能。
- ソリトン-ソリトン間の相互作用を抑制し、分散耐力を向上させることが、分散マネージメントのWDMに必要。
- 分散不連続量(ファイバが入れ替わる位置)の差が大きいと、ソリトン波形が劣化し、信号品質の劣化を生じてしまう。
次に読む論文は?
- H. Murai, M. Shikata, and Y. Ozeki: Electron. Lett. 34 (1998) 105
追記
- 交播分散補償方式とは。